riotoqll's diary

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【読書】なぜ生物時計は、あなたの生き方まで操っているのか?

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私は小さい頃から宵っ張りの朝寝坊だったので、こういった睡眠に関する書籍はつい手に取ってしまう。その大体が早寝早起きのコツなどを記したものだけど効いた試しはないし、コンビニで売っている安い紙のものなんかはハードカバーの本に載っている基礎的な知識をコピペした程度の物で。どの本読んでも似たようなことしか書いてないし全く実用的じゃないなあと思っていた。多分素人が適当に書いた本もいっぱいあるんだろう。

この本の著者は長い間体内時計について研究されているミュンヘン大学の教授であり、データも多少掲載してあるので信用できる。文章もユーモアがあって読み進めやすい。おすすめ。

ただ夜型の人間を朝型に変える具体的な方法は載っていない。むしろ「なぜ夜型の人間は蔑まれなければならないのか?」「科学的に青年期は最も夜型になる時期なので学校の開始時間を遅らせるべきだ」という主張をしているので、生活改善の秘訣を期待している人が読むとガッカリするかもしれない。

なんでも英国医療協会の選ぶ2013年ベストブック賞を獲得しているらしい。別の年の受賞作は翻訳されてないのかな?調べてみよう。


以下自分用まとめ。

 


・クロノタイプ…その人の(仕事がない日の)睡眠開始と終了のちょうど中間の時刻。中央ヨーロッパにおいて最も多いのは中央時刻4時半。
・生物が規則的に変化する環境に生きているのなら、その変化を予測、準備できる種は有利である。→体内時計の発達
・早起きの人は善人で、寝坊する人は怠け者という神話は農村社会では意味があった。
・脳が冷えている時は疲れを感じ、適度に温まっている時は目が冴える。
・睡眠圧力…おそらく眠気のこと。正確には違うかも?睡眠圧力は 覚醒時間の前半でほぼ最大にまで高まるので、昼休みに眠くなる。昼から体温が上がってくるので眠さが消えると言われている。夜、睡眠時間の後半は体温が最も低くなっているので、睡眠圧力がほとんど無くなってもそこから数時間は眠り続けられる(朝まで眠り続けられる)。
・朝型タイプは睡眠不足でも朝寝坊ができない。
・動物の体内時計には20以上の遺伝子が関わっていると現在分かっている。1日のリズムは遺伝子から生まれる。
・思春期や青春期に夜更かしするのは人間だけでなくげっ歯類も同じなのでこれは生物学的プログラムであろう。
・同調化…本来、内的1日はピッタリ24時間ということはなく個人差があるが、それを1日24時間のリズムに同調させる体のメカニズムのこと。
・ツァイトゲーバー…同調因子。明暗、温度、食事のサイクルなどのこと。これが内部時計を調節する。最も強い因子は光の明暗である。
・明るい照明の部屋でも数百ルクス、外の明るさは雨の日でも1万ルクス。快晴の日はおよそ15万ルクス。
・体内の時間計測組織に到達しやすい光はスペクトルの青い部分。
・工業化された環境にいる人々のツァイトゲーバーは、外で働く人々のツァイトゲーバーの強さの200分の1。
・その人の内部時間での午前中に光を浴びると内的1日が短縮され、内部時間での午後に光を浴びると内的1日が伸長される。従って、内的1日が24時間より長い人は遅寝遅起きをする事で内的午前中に光を多く浴び、内的1日を24時間に縮めることができる。逆に内的1日が24時間より短い人は早寝早起きすることで内的1日を伸長させている。
・睡眠持続時間とクロノタイプは別々の遺伝性性質である。人の体内時計がツァイトゲーバーと関わる部分は、生物学的現象であって訓練の問題ではない。
・極端な朝型と極端な夜型ではクロノタイプは最大12時間の差がある。
・60%の人にとって、現在の就業時間は早すぎる。